お互い分かり合えない、高齢親と同居の難しさ。

最近になって、87歳のお母さんと同居し始めた息子さんご夫婦がいました。息子さんご夫婦も還暦を過ぎて、その子供たちも家を離れていったので、いままで家は処分して、親と同居することにしたのです。87歳のお母さんは、2年前に介護を続けてきたご主人が亡くなり、やっと肩の荷が下りたのか、緊張も和らいだのか、少しばかり認知の症状が見られるようになり、このままではいけないと言うことでその息子さんは親と同居したそうです。高齢の親を息子宅に引き取ればいいじゃないか、と言う人もいますが、お母さんの環境を変えることは最悪の状態を招くことにもなりかねませんので、それは絶対にダメ。よく高齢の親を遠く離れた故郷から引き取るケースがありますが、その親はご近所とのコミュニケーションが始まるわけでもなく、家ですることもなく、そのためにかえって認知症などの原因になることはよくある話ですから。そんなわけで、お母さんと息子さんご夫婦の同居が始まりました。高齢のお母さんは認知が始まっているとはいっても、まだまだ年の割にはしっかりしていらっしゃるそうです。それに、どちらかというとキツイ性格のようです。思ったことをズバズバおっしゃるようです。息子さんの奥さんは、お母さんと遠慮がちに接しているようです。そりゃそうですよね。嫁が出しゃばるわけにはいけません。息子さんはお母さんと対等に接しています。奥さんがハラハラするくらいに時によっては、お母さんと息子さんが激しい口論になることもあるようです。そんなおかげで、息子さんの奥さんは、ちょっと鬱病のような感じになったそうです。なによりも、息子さんとお母さんの親子の口論が、奥さんにとっては、一番応えるようです。どうも息子さんはお母さんに対して、認知症のことも忘れて遠慮がないようです。そんなわけで、息子さんと奥さんとの間の会話も、興奮の延長が続きますます少なくなっているようです。奥さんも、このまま家にいるのがとっても辛い状態で、たぶん鬱の症状も進行していることでしょう。どうすればいいんでしょうね、と所詮は他人事なんですね。でも、この場合は、おかあさんを認知のはじまった患者なんだと、はっきり認識することでしょうね。患者だと思って接すれば、それぞれが抱く意識も変わるんじゃないかな。そんな気がします。私も相方が、三男坊で良かったあ。