むべなるかなの「むべ」を見つけた。

道の駅で、「むべ」が売られているのを見つけました。むべは、アケビの仲間で、アケビは冬に葉が落ち、実が熟するとパカッと割れるのに対して、むべは一年中緑の葉をつけ、実も割れることはありません。むべは、万葉人が「不老長寿の霊果」として食べた果実だそうな。その昔々、天智天皇が、現在の近江八幡市付近へ狩りに出掛けたとき、この地で8人の子どもを育て上げた健康な老夫婦に出逢った。天皇が老夫婦に長寿の秘訣を尋ねると、差し出したのがこの実でした。一口食した天皇は「むべなるかな」、もっともであるなと言われたことで、この言葉がそのまま果実の名前になったと言う話です。

ところで、むべをスパンと半分に切ると、中はゼリー状でたくさんのか種が入っている。このゼリー状の部分がほのかに甘くて、アケビに似ている感じ。スプーンですくい、種を口の中でより分けながら食べます。そして、皮も食べるのです。むべの皮を細く切り、鍋に油をひいて炒め、みりん、砂糖、醤油で味付けをすれば出来上がり。または、中身をくりぬいたむべに、細かく刻んだネギと味噌をまぜたものをむべの中身に詰めてグリルで焼きます。これがむべ田楽。

むべは果実にしては水分が少ないためにエネルギーは高い。ビタミンは、B1、C,葉酸を多く含む。ミネラルも、カリウム、鉄分、マンガンなどを含みます。むべの果皮には動脈硬化を防ぐポリフェノールも含まれているんですよ。ま、たいていの人は、むべなんて知らない人ばかりでしょうね。見かけたら、一度お試しくださいね。