マタヨシさんの「火花」、完読できなかった。

一ヶ月くらい前に、「火花」が全文発表になった月刊の文藝春秋をお友達から借りることができました。そして、読み始めました。いくらお笑い芸人とは言え、さすがに芥川賞を受賞しただけのことはあります。ひと言ひと言が繊細で、まるで糸を手で紡ぐように丁寧に書かれています。本当に丁寧に、ただただ丁寧に書かれています。ふんふん、なるほど。良く、書かれています。丁寧だから、お上手です。数十ページほど読み進みました。なんだか、それ以上読みたいとは思いません。何ででしょう。そうですね。ご自分の経験を元に書かれているのでしょうけど、だから全体的に抑揚がないのです。そう、小さな盛り上がりがあって、その先はどうなるのだろう、というのがあるのですが、私にはですよ、私だけでしょうけど、私をそれ以上引きつけるのもがないのです。そんなわけで、その当たりで読むのをやめてしまいました。一週間経っても、二週間経っても、一ヶ月が経過しても、やっぱり再びその「火花」を読む気は起こりませんでした。文藝春秋はお友達に返しました。マタヨシさんの、次回作が出たら読むでしょうか。まあ、私は読まないでしょうね。それ以上に読みたい本が、わんさかありますから。マタヨシさん、ごめんなさいね。