公立図書館は、老人居眠りの場所、なんですねえ。

区立の図書館は静かで、そんなに訪れる人もなく、ロビーやら、閲覧のためのテーブルを見ると、お年を召した男性がうつらうつらといねむりをしています。何かを読みたいわけでもなく、何かを調べたいわけでもなく、ただただ図書館に来て時間をつぶす、だけなんでしょうね。どうして自宅でくつろがれないのでしょうか。そうか、奥様ですね。奥様に、きっと邪険にされているのでしょう。そうなんです。中高年を過ぎても男性は、外で働いているのが常識だったのです。ほら、言うでしょう。「亭主元気で、留守がいい」と。自宅をひとりじめしていた奥様方は、時々はそんな奥様方と連れだってのお出掛けランチもありますが、大抵はソファーにねっころがってワイドショーやら、韓流とかドラマの再放送を、お菓子を食べながらむさぼり見ている。そんな日常を壊されたくありませんよね。定年を迎えて自宅に居座る亭主が、どれほどじゃまなことなのか、奥様連中とお話しすれば話題はこのことばかりです。なので、亭主はお金のかからない図書館にでも出掛けるしかないのですねえ。そんな図書館も、もっともっとの賑わいや稼働率を求めて、自治体は運営をツタヤに任せたりして、賑わっていそうですね。こうなれば、家を追い出された老人亭主は行き場を失うことでしょう。今のままでいいんですよ。図書館はそんな行き場のない老人亭主を、やんわりと受け入れてください。いねむりしていても、起こさないでください。