映画「プライベート・ライアン」で、ミラー大尉が橋の上で言ったこと。

私は結構、戦争映画が好きです。中でも、プライベートライアンはとってもリアルで、それぞれのシーンに圧倒されますね。でも、この映画は、戦闘シーンだけでなく、なかなか含蓄に富んだ会話も楽しめるのです。ただ、長年、疑問に思ってきた会話のシーンがあります。それは映画の最後の方で、ライアン二等兵を救出に向かったミラー大尉が、最後の戦闘で倒れた橋の上で、ライアン二等兵に言い残した言葉です。息も絶え絶えのミラー大尉はジェームズ・ライアン二等兵に向かって、映画の中の日本語訳だと「ムダにするな」。そして「しっかり生きろ」と告げて、息を引き取ります。しかし、映画の中の言葉、英会話では、最初に、James,と。しばらくして、Earn this. そして、力を振り絞って、Earn it. と告げて息を引き取るのです。いや〜、「Earn this. 」は、何とでも訳せる言葉です。thisというのは、この戦争や戦場での出来事のすべてを言っているのですよね。「Earn it. 」の it は、何を示しているのでしょうか。日本語訳だと、ライアンのこれからを意味しているのでしょう。this ではない it が表すものは、戦争から離れたときの事柄なんでしょう。Earnの単純な動詞の訳語は、稼ぐ、です。すると、映画の日本語訳は正しいのか。これを見たアメリカ人はどう考えるのでしょうね。さらに、最後の方で、ミラー大尉の墓に敬礼する、今は子どもも孫もいる老人となったライアンは「I’ve earned what all of you have done for me.」と言います。you はもちろんミラー大尉ですね。つまり、大尉の末期の言葉を、しっかりと実践させてもらった。あなたの思いは、いつも私の心の中にあって、私を支えてくれた、と言っているのですね。そんなわけで、やっぱり外国映画は、外国語をしっかり理解した上で見ないと、本来の意味は分からないのですね。おばさんだけど、もう一度、英語を勉強しようかなあ。字幕スーパーの英語を聞いていると、そんな思いに駆られますね。