小説「1Q84」を読み終えて、やっぱりなあ〜。

知り合いからお借りした村上春樹さんの小説「1Q84」、一週間がかりでそのBOOK1、BOOK2、BOOK3を読み終えることができました。そういえば村上春樹さんって、何年か前からノーベル文学賞の候補に挙がっていますが、未だに受賞することはできていませんね。秋になると、川端康成さん、大江健三郎さんに次ぐ3人目にして、慶應義塾大学卒の、日本の私立大学卒業者として初めての受賞なるか、などと騒がれたものです。でも、毎年ダメで、近年はそんなに騒がれることもなくなりました。では、なぜ、村上さんはノーベル文学賞の受賞を逃したのでしょうか。それは私が「1Q84」を読んでみて、これじゃ〜ダメなんじゃない、と思いましたね。なぜ私がダメ出ししたかというと、もし私に高校生くらいの娘がいたとして、その娘に「1Q84」を読みなさいと積極的に奨めることができるでしょうか。ちょっとムリでしょうね。で、「1Q84」は、ひと言で言えば不思議な世界での物語です。小説だからなんでもありなんでしょうね。それはヤナーチェックの「シンフォニエッタ」を初めて聞いたときの直ちに受ける感動のように、全く思いもよらない新しい世界を開いてくれた、そんな感じでしょうか。私は当然、ヤナーチェックなんぞ聞いたこともありません。なので、適当な比喩ですから。とにかく読むのに時間の掛かる小説でした。なんせ、会話より、村上さんらしい記述がやたら長くって大変でしたね。でも、購入してまで読む本ではありませんねえ。何年か経って、もう一度読みたくなるか、といえば、まずないでしょうね。「1Q84」は300万部ほど売れたようですが、「ノルウェイの森」ほどは売れなかったようです。去年出た「色彩を持たない多崎つくる」は100万部というけれど、実際のところは60万部くらいで、かなり余っちゃったようですね。ずーっと手元に置いておきたい本って、なかなかないものですね。