森村誠一さんの小説を読んだけど、つまらない。

つまらない、というより虚しさを感じるのですよ。森村誠一さんといえばミステリー作家というか、棟居刑事が登場する、いわゆる事件・警察ものがほとんどですよね。これらの小説や脚本をもとにしたテレビドラマは、どこのテレビ局にも登場していて、今や事件・警察ものの花盛りになっています。まったく、どこのテレビ局も事件もののドラマを作れば視聴率が稼げると思っているんですから呆れたものです。そんなわけで、私は最近のテレビ番組にうんざりしています。たとえば事件もののストーリーは、とにかく誰かが殺されないとはじまりません。そこで、殺された人はどういう理由で殺されたのか、撲殺、絞殺、刺殺、銃殺の残虐などんな方法で殺されたのか、を突き詰めながら、犯人を追い詰めるわけです。それらの原案となったであろう小説を読んでみようと、たまたま図書館で手に取った森村誠一さんの「ガラスの恋人」を借りて読み終わりました。5時間で一気に読んだのですが。あとで胸の中に残ったのは、小説もやはりテレビの事件・警察ものと同じだということです。そりゃ〜、お話の中でしょうけど、どうして無慈悲に人を殺しちゃうんでしょうか。被害者は曰く因縁のある悪人ばかりとは限りません。なんでこんな人が事件に巻き込まれなければいけないのかと思うような善人というか、誰かにとっての大切な人もいます。ある人が言っていましたが、殺人とは理性や知性の破壊です。その破壊に復活はありません。ま、小説だから読解するには想像力を必要としますよね。ところが、テレビドラマはそれを映像化します。リアルに撲殺、絞殺、刺殺、銃殺を行うわけです。そんな画面を見て、誰かが真似をしたらどうするんですか。そんなわけで、テレビ画面の中では、毎日、何千万のテレビ画面で殺人が行われているわけですよ。これって、ちょっと異常じゃないですか。それは、絵空事だよといっても、それを真似る人はいるんですよね。ま、それほど、日本の視聴者や読書家は、殺人が好きってことでしょうか。こんなので、いいのかなと思って、最近は、事件・警察もののドラマを全く見たくなった私です。そんなに簡単に人を殺さないで欲しいな〜。たとえドラマでも。現実問題として、死んだら二度と生き返ることはないんですよ。みんな、残酷だなあ。