なぜ若い人の感受性は劣化しているのでしょうか。

何年か前の、倉本聰さんの話です。脚本家や俳優の養成所である富良野塾を26年で閉じるにあたって、その時代の若者への失望を語ったそうです。「若者にこちらから話しかけても無反応。私は何に向かって話しているのか分からなくなる時がある。若者の感受性も劣化した」と述べたといいます。「その原因は、たぶん、IT社会のせいだと思う。考える前に情報が入ってしまうから、自分で考えなくなった。教育も悪い。知識を使わせないで、いきなり知識を教えてしまう」のだそうです。なるほど、確かにそうですね。近年は特にそうですね。携帯電話を巡ってのトラブルが多発しています。携帯電話を使っての会話をしてはいけない場所で、大声で話しをする若者がいます。注意する人を無視しながら、自分の世界に入って話し込んでいます。他人への迷惑なんかへっちゃらなんですね。ときどき、静かな住宅街を、爆音を振りまいて走るバイクや自動車があります。この運転者は周りへの迷惑や影響を考えてはいないのですね。携帯電話や自動車や、機械を頼った生き方で、人間性を失っているような気がします。だから感受性もどんどん衰えてくるのでしょう。こんなことで、10年先、50年先、どうなることでしょう。まあ、私は30年先には生きてはいないでしょうから。