天野祐吉さんが、お亡くなりになって、なんと通夜も葬儀もなしとは。

天野祐吉さんが80歳で、突然お亡くなりになりました。で、本人の希望で、通夜・葬儀などはおこなわれない、ということです。天野さんのコラムは軽妙な語り口で、楽しく、カッコいい人だなあと思っていましたが、最後の儀式まですっきり格好良く、ゆかれるのですね。もうただただ素晴らしい最後です。私が大嫌いな朝日新聞にコラムを書いておられたのですが、天野祐吉さんの書く文章は楽しくって、皮肉や批判がスパイスのようにしっかり効いていて、おいしいというか、味わいを深くしていましたね。あんなに軽いタッチで書かれていらっしゃる方は、もういらっしゃいません。でも、天野さんって、基本的にコマーシャルが嫌いだったと思います。嫌いだからこそ、なんとかコマーシャルに付き合ってみようとされていたのじゃないかしら。コマーシャルのどこが嫌いなのか。タレントなのか。構成なのか。音楽なのか。騒々しさなのか。そうやって文章にしてみると、茶化したり、コケにしたり、褒めたり、けなしたり。そんなことが楽しくなって、コラムが続いたのでしょうか。でも、天野さんは最近のコマーシャルは、昔にくらべて面白くないと、ある対談でしゃべっておられたと思います。確かに、昔のコマーシャルは優雅なものも多かったと思います。でも、それは昔にくらべて今の人々の心が荒んでいるか、余裕がなくなってるからだと思いますね。確かに30年くらい前はいい時代でした。ただただ、天野祐吉さんのご冥福をお祈りいたします。