みっともない、京都送り火のすったもんだ。


京都五山送り火は、夏を彩る日本の風物詩です。そのイベントで誰が言い出したのか知らないけれど、東日本大震災で被災した陸前高田市の松を護摩木として、毎年のおくりびと一緒に燃やすことになりました。ところが、京都の人の、護摩木の放射能が飛び散ったらどうするのか、灰が琵琶湖にも飛び散って京都人は水が飲めなくなる、とかの心配する意見が出て、陸前高田市護摩木の件は一旦中止になりました。まあ、それはしょうがないでしょう。京都の町家は、一見さんお断りが多いですから。よその人が、いきなり来られても困ってしまう。そりゃそうですよね。どういうお客さんか、味の好みとかがいろいろあるでしょうから。いきなり、よそものの薪を一緒に燃やしてよ、と言われても困りますよね。その薪が、どういういわれがあるのとか。震災被害の松なんですけど。

で、京都の人は、反対が多いので被災松の送り火を拒否しました。すると、全国から京都の人はけしからん。などと、非難囂々。だって、そうでしょう。よそもんがいきなり入ってきて、私も参加させてくれといわれても困るでしょうに。でも、瀬戸内寂聴さんまでが、京都の恥とまで、怒っているという。瀬戸内さんは、京都出身の人ですか。よそものでしょうに。京都に住んでいるからって、そんなよそもののひとに、京都がひどい、恥だなんていわれたくないでしょう。瀬戸内さんも有名人だからって、ちょっと図に乗りすぎているような気がしましたよ。でも、京都の保存会の人は、しぶしぶ五山の送り火に、被災松を一緒に燃やすことにしたそうです。でも、嫌な思いをしている京都の人もいるでしょうね。

ところがところがです。被災松を検査すると、セシウムが検出されたそうです。直ちに、五山送り火で被災松を燃やすことは中止となりました。京都の人はほっとしたことでしょう。とりあえず、よそものがずかずかと入ってくることは避けることができました。そもそも、誰ですか、陸前高田市の被災松を、わざわざ京都に運んで、送り火にしようなんて言った人は。お節介な人ですね。そのすったもんだで、京都や陸前高田市や、日本中の人々が、不愉快な思いをしたじゃありませんか。