幼児転落死亡事故は、ベランダの構造に問題がある。

8月のはじめに、東京都三鷹市で3歳の男児がマンションのベランダから転落して死亡したという悲しい事故がありました。で、私はそのニュースを、たまたまテレビで見ました。ニュース画像では男児が転落した地上の現場から、カメラはアングルを上に向けマンションのベランダを映しています。だから、子どもがベランダから落ちたんだ。私は、はたと確信しました。私は、40年くらい前に、公団のマンションというか、賃貸住宅に暮らしていたことがあります。もちろん、私が子どもの頃ですが。確か暮らしていたのは4階で、もちろんベランダもありました。ベランダには、私の顔の高さに手すりがあって鉄格子がはまっていて、鉄格子の間から、外の景色が見渡せたものでした。ここなんですよ、ここが問題です。

その頃の、公団住宅というのはベランダがあったっけれど、大体どこも手すりに鉄格子という構造がほとんどだった。ところが、今のマンションは、ベランダを鉄格子ではなく、その鉄格子をふさいで、外から見えないようにしています。プライバシーの保護で、そうなっているでしょうけど。でも、外の見えないベランダで遊ぶ子供たちは、どう思うでしょうか。きっとベランダの外が見たいと思うはず。だから、コンクリートで塞がれたベランダの壁の上に、何とか出たい、外を見たいと考えて、よじのぼってしまうのです。これがもしベランダの鉄格子なら、よじ登らなくても、外を眺めることができたはず。子どもの好奇心を考えないベランダの構造が、幼児の転落事故を招くのです。だから、ベランダは外が見える鉄格子にしましょうよ。そうすれば、子どもは鉄格子から外を眺めるはずで、よじ登ろうとは考えませんよ。マンションを造るとき、そういったことも考えないと、また同じ事故が起こりますよ。