そう言われて、複雑な気持ちになる言葉。

頑張ってね、という言葉は、人の心を傷つけるNGワードになったようですね。私は、頑張ってね、という言葉が嫌いです。元気いっぱいで、上昇志向にあるときならいいのです。ほら、子供たちの運動会の駆けっこのとき。がんばれーというのは普通で、当たり前のこと。でも、そのレースで転んだ子どもがいて、ほとんどビリが確定してしまった。そんな子どもに、かんばれと声を掛けるのは残酷です。うつ病の患者に「がんばれよ」と声を掛けて、自殺に追い込んだというケースもありますから。

今、がんばろうという言葉をよく見かけます。でも、被災者の方は頑張ろうにも、頑張れない。元気を出そうにも、元気が出ない。おそらく、そんな状態でしょう。最近、歌やコメントで励ましているコマーシャルがあるけど、これだって白々しく思える。被災者の気持ちを理解するには、現場に行って見て、被災者と話をして、ボランティアと一緒に行動してこそ、わかるかもしれない。マスコミなんて、報道するだけで、なんの役にも立っていないことでしょう。

阪神淡路大震災の時、プロ野球オリックスが、かんばろう神戸をキャッチフレーズに優勝しました。被災地を象徴するものとして、みんなを勇気づけたのは、誰もがご存知の通りですね。本当に被災地の方々のことを考えて、言葉選びをしないといけません。今は、不愉快な言葉が飛び交いすぎている。そんな気がします。