相方に読ませようと思う、渡辺淳一さんの小説「孤舟」。

ちょっと最近、テレビドラマでも、小説でも、事件・刑事ものなどのミステリー小説にうんざりしている私です。そうだ、渡辺淳一さんなら、そんなに警察や事件が出てこないなか、と思って、図書館で「孤舟」を借りて読み終えました。私、には、とってもとっても面白かったのです。なぜ、には、を区切ったかというと、この小説の主人公の人生の節目が、私の相方にもやがて迎えるであろうことが分かり切っているからなのです。その節目とは、企業戦士だった男性60歳の定年です。幸い、私の相方は60歳を越えても、再雇用制度でなんとか働いていますが、それも65歳までです。それの時期を迎えたら、相方はのんびりと家で羽根を伸ばすことでしょう。私ですか?相方に、家にドッシリと根が生えたように居座られるのってそんなのいやですよ。そりゃ〜、これまでも一生懸命働いてくれたことには感謝していますよ。それでも、いやなものは、いやなんですね。そりゃ〜、感謝してますが、それとこれとは別問題の、別腹ってやつですよ。ほら、家にいると、何かと私に言いつけるのですよ。お〜い、お茶。コーヒーが飲みたいな。お〜い、俺のメガネ、どこへ置いたか知らないか?お〜い、今日の晩飯はなんだ?などとね。うるさいったらありゃしないんですよ。そんなわけで、定年を目前に控えた男性の方には、ぜひお読みいただきたいですね。で、くれぐれも、定年退職しても家に居座らないで、しっかりと再就職してくださいな。そんな様々な思いを織り込んだ小説です。むろん主人公は、会社員当時は役職にもあった人ですよ。それが、家に居座ると、ただの人になって、こういう事になるわけですよ。だから、よく言うではありませんか。「亭主、元気で、留守がいい」ってね。渡辺淳一さんの小説「孤舟」を、ぜひお読みくださいね。